ドローンの夜間飛行|100g以上のドローンは飛行許可が必要に

ドローンユーザー

DJI MINI 2とか200g未満のドローンも、夜間飛行の許可が必要なの?

行政書士うえた

2022年6月に法律が変わり、100g以上のドローンが規制の対象になりました。
①機体登録、②飛行許可、③飛行計画、の3つの手続きをしないと、100g以上のドローンは夜間飛行できません!

この記事でわかること
  • 2022年6月の法改正で、100g以上のドローンも夜間飛行の許可が必要に
  • 飛行マニュアル解説|夜間飛行での注意点について
  • 100g以上のドローンを飛ばすまでの手続き
  • 航空法以外でドローンに適用される法律について

ドローンの夜間飛行についてのまとめ記事をご用意しています、あわせてご覧ください。

この記事の目次

100g以上のドローンは夜間飛行の許可が必要に|2022年法改正

2022年6月20日に改正航空法が施行されました。
これにより、100g以上のドローンは、屋外で飛行させる場合に以下の手続きが必要になりました。

ドローンを飛ばすために必要な手続き

  1. 機体登録
  2. 飛行申請
  3. 飛行計画の登録
出典:国土交通省HP

これまでDJI Mini 2など200g未満のドローンは、飛行許可なしで夜間飛行が可能でしたが、3つの手続きが必要になりました。

DJI Telloなどの100g未満のドローンは、機体登録や飛行許可などの手続き無しで夜間飛行ができます。

100g未満のドローンで夜間飛行する際、注意すべきことは?

100g未満のドローンを飛ばす場合は、航空法が適用されません。
よって、200g以上のドローンで守るべき「飛行マニュアル」も適用外です。

しかし、この「飛行マニュアル」には、夜間飛行で守るべきルールが載っています。
法律で定められた必須の条件ではないが、事故の防止のためにも、航空局の標準飛行マニュアルにのっとった飛行をしましょう。

  • 人又は家屋が密集している地域(DID地区)の上空では夜間飛行は行わない。
  • 夜間飛行においては、目視外飛行は実施せず、機体の向きを視認できる灯火が装備された機体を使用し、機体の灯火が容易に認識できる範囲内での飛行に限定する。
  • 飛行高度と同じ距離の半径の範囲内に第三者が存在しない状況でのみ飛行を実施する。
  • 操縦者は、夜間飛行の訓練を修了した者に限る。
  • 補助者についても、飛行させている無人航空機の特性を十分理解させておくこと。
  • 夜間の離発着場所において車のヘッドライトや撮影用照明機材等で機体離発着場所に十分な照明を確保する。

DJIのMavic Miniなら、赤のライトが機体の前方、緑のライトが後方を示しています。
夜間飛行では機体のライトをちゃんと視認できる範囲内で飛行させることを推奨します。

100g未満のドローンは、航空法以外にどんな法律の規制を受ける?

ドローンを規制する法律は航空法だけではありません。

2022年6月の法改正後も、100g未満のドローンはこれから紹介する法律・条例等により規制を受けます。

小型無人機等飛行禁止法

小型無人機等飛行禁止法では、重要施設の上空とその周囲およそ300mの地域の上空における小型無人機等の飛行が禁止されています。

周囲の飛行が禁止される重要施設の例
  • 国会議事堂
  • 内閣総理大臣官邸
  • 皇居・御所
  • 政党事務所
  • 自衛隊施設
  • 在日米軍施設
  • 空港
  • 原子力発電所 など

東京都内は重要施設が集中しており、飛行場所はかなり制限されます。

東京都内の重要施設

警察庁HP
https://www.npa.go.jp/bureau/security/kogatamujinki/index.html

小型無人機等飛行禁止法の概要(警察庁)
https://www.npa.go.jp/bureau/security/kogatamujinki/pdf/gaiyou.pdf

個人情報保護法、肖像権の侵害

総務省は、「ドローンによる撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン」として、ドローンでの撮影者が守るべき指針を定めています。

撮影者が具体的に注意すべき事項
  • 住宅地にカメラを向けないようにするなど撮影態様に配慮する。
  • プライバシー侵害の可能性がある撮影映像等にぼかしを入れるなどの配慮をする。(人の顔、ナンバープレート、表札、住居の外観、住居内の住人の様子など)

また、ドローンを利用して被撮影者の同意なしに映像等を撮影し、インターネット上で公開することは、民事・刑事・行政上のリスクを負うことになります。

  • プライバシーを侵害する行為が行われた場合、民事上、撮影者は被撮影者に対して不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになります。
  • 浴場、更衣場や便所など人が通常衣服をつけないでいるような場所を撮影した場合には、刑事上、軽犯罪法2や各都道府県の迷惑防止条例の罪に該当し、処罰されるおそれがある。
  • 個人情報取扱事業者による撮影の場合には、無断での撮影行為は不正の手段による個人情報の取得として、個人情報保護法の違反行為となるおそれがある。 

総務省資料
https://www.soumu.go.jp/main_content/000365842.pdf

都市公園法、都市公園条例

国が設置した公園は「都市公園法」により、また都道府県・市区町村が設置した公園は「都市公園条例」によって規制されています。

そもそも、ドローンの持ち込み自体が禁止されている公園が多いです。

また、公園の管理者の許可により撮影ができる場合でも、業務としての撮影でないと許可されないことがあります。(個人の趣味はダメ。)

業務で公園内で飛行させたい場合は、公園の管理者に問い合わせましょう。

参考:全国の都市公園条例
https://www.mlit.go.jp/common/001370402.pdf

道路交通法

道路の上空で「単に飛行させる」だけでは、道路使用許可は必要ありません

道路上での離発着、操縦、補助者を置く場合などは、道路使用許可が必要となる可能性があります。

無人航空機に係る道路使用許可の取扱いについて(通達)
道路の上空において無人航空機を単に飛行させるという行為については、当該行為のみをもって、道路における危険を生じさせ、又は交通の妨害となるとはいえないことから、原則として、道路使用許可を要しない。

https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20210630-1.pdf

道路使用許可申請書(警察庁)
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/shinsei-todokede/dourosiyoukyoka/permissi/shinsei.pdf

重要文化財保護法

文化財保護法195条
重要文化財を損壊し、毀損し、又は隠匿した者は、五年以下の懲役若しくは禁固又は三十万円以下の罰金に処する。

ドローンの落下により、寺社等に密集して集合している人・物件に被害が生じないか。https://www.city.ono.fukui.jp/kosodate/bunka-rekishi/hogo/drone.files/1.pdf

安全な飛行のためのガイドライン(航空局)
重要文化財を含む神社仏閣等の管理者が、敷地上空での無人航空機の飛行を禁止する看板を掲示している場合もあります。土地の所有者等が、その土地の上空での無人航空機の飛行を禁止する旨の表示等を行っている場合には、その土地の上空では無人航空機を飛行させないようにしましょう。(第三者の所有する土地の上空で無人航空機を飛行させる場合、所有権の侵害とされる可能性があります) 

まとめ

ここまで100g未満のドローンを夜間飛行させる場合の注意点などについて解説しました。

ドローンは関係法令が多いので、知らない間にトラブルを招くことがあります。
これらのガイドラインや法律を正しく守って、夜間飛行をおこないましょう。

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