ドローン包括申請の更新ガイド|「更新できない」原因と対処を行政書士が解説

ドローンの包括申請には有効期間があり、許可を続けるには期限ごとの手続きが必要です。ところが「DIPSで更新しようとしたら申請書が出てこない」「同じ内容なのに更新できない」という相談が、2025年以降とても増えています。

結論から言うと、2026年の記事執筆時点ではそのまま更新できる人は限られていて、多くの方は新規申請で取り直すことになります。理由は、2025年に審査要領が年2回改正され、改正前の内容をベースにした申請は更新・変更ができなくなっているためです。

この記事では、次のことがわかります。

  • 自分が「更新できる人」か「新規申請になる人」かの見分け方
  • 「更新できない」「申請書が表示されない」のはなぜか
  • 更新できる場合の申請のやり方と、申請できる期間・期限
  • 機体の追加など、更新と変更が両方必要なときの考え方

なお、包括申請そのものの仕組み(全国・1年間飛ばせる許可とは何か)は、ドローンの包括申請の解説で詳しく説明しています。ここでは「更新」に絞って解説します。

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この記事の目次

ドローンの包括申請の更新とは|許可期間を最大1年延ばす手続き

包括申請の更新申請とは、前回と同じ許可・承認の内容のまま、許可期間(最大1年間)を延長する手続きです。

ドローンの包括申請で取得した飛行許可には有効期間があり、その期間は最長で1年間です。期間が過ぎると許可は失効するため、引き続き同じ条件で飛ばすなら、期限が来る前に手続きをしておく必要があります。

更新の対象になるのは、前回の許可からおおむね1年が経ち、申請内容に変更がない方です。一方で、機体や操縦者を増やしたい、あるいは前回の申請が古い基準のものだ、というケースでは更新では済みません。まずは次の章で、自分がどちらに当てはまるかを確認してください。

まず確認|あなたは更新できる人・新規申請になる人?

先に結論をお伝えすると、2026年現在、そのまま更新できる人は限定的です。多くの方は新規申請で取り直すことになります。

理由は次章で説明する審査要領の改正ですが、まずは自分がどちらに当てはまるかを、以下の条件で確認してください。

包括申請を更新できる人の条件

次のすべてに当てはまる場合は、更新申請ができる可能性が高いです。

  • DIPS2.0で取得した許可である
  • 現在の(改正後の)審査要領にもとづいた申請である
  • 機体・操縦者・飛行マニュアルなど、申請内容に変更がない
  • 許可期限まで余裕があり、申請期限内(後述)に手続きできる

新規申請が必要になる(更新できない)人の条件

次のいずれかに当てはまる場合は、更新ではなく新規申請が必要です。

  • 審査要領の改正前にもとづいた申請である
  • 新しく購入したドローンや、新たな操縦者を追加したい
  • 飛行マニュアルを変更したい
  • すでに許可が切れている、または期限まで残りわずか(後述の期限を過ぎている)
  • DIPS2.0に移行する前(旧DIPS時代)に取得したままの許可である

「自分がどちらか判断がつかない」という場合は、DIPSの更新画面に申請書が表示されるかどうかが一つの目安になります。次章でくわしく説明します。

なぜ更新できないのか|審査要領改正の影響

「同じ内容で続けたいだけなのに更新できない」という最大の原因は、審査要領の改正です。

審査要領とは、国土交通省・航空局が飛行許可・承認の審査基準や運用を定めた文書です。2025年は3月24日と12月の年2回、この審査要領が改正されました。

審査要領が改正されると、改正前の審査要領をベースにした申請は、そのまま更新・変更ができなくなります。続けて飛ばすには、現在の基準に沿って新規申請で取り直す必要があります。

参考:無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)は、令和7年12月12日に最終改正されています。

出典:国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000042.html

つまり、「更新できないのは自分の操作ミスや不備のせいではなく、制度側の改正による」というのが多くのケースの実情です。落ち込む必要はなく、必要な手続き(新規申請)に切り替えれば許可は取り直せます。

「更新申請の申請書が表示されない」のはなぜ?

DIPSの更新一覧を開いても、前回の申請書が出てこない――これは、よくあるつまずきです。

理由は、その申請が改正前の審査要領にもとづくもので、更新の対象から外れているためです。表示されない=更新できない、と考えてよく、この場合は新規申請に進むことになります。

「探し方が悪いのかも」と時間をかけるより、早めに新規申請の準備に切り替えるほうが、無許可の期間を作らずに済みます。

旧DIPS(DIPS2.0移行前)で取得した許可の場合

DIPS2.0より前の旧DIPS時代に取得した許可も、DIPS2.0ではそのまま更新できません。この場合も新規申請が必要です。

旧DIPSはすでにサービスを終了しているため、当時の申請内容を見たい場合は、DIPS2.0経由で確認します(確認方法は記事末尾のよくある質問で説明します)。

更新できない場合の対処|新規申請で許可を取り直す

更新ができないとわかったら、対処はシンプルで、新規申請で許可を取り直すことになります。

ただし、更新と新規では手間が変わります。新規申請では、申請内容が最初から審査されます。

  • 前回と同じ内容で出しても、補正指示を受けたり、そのままでは許可が下りなかったりすることがある
  • 現在の審査要領や標準マニュアルに沿った内容に整える必要がある
  • そのぶん、更新よりも準備の時間と手間がかかる

新規申請の具体的な進め方は、ドローンの包括申請のやり方で手順を解説しています。ここでは「更新と違って一から審査されるので、余裕を持って準備する」という点だけ押さえておいてください。

「同じ内容のはずなのに通らない」「補正指示の意味がわからない」というときは、無許可期間を作らないためにも、早めに専門家へ相談するのが安全です。

更新できる人向け|DIPS2.0での更新申請のやり方

ここからは、前章の条件で「更新できる人」に当てはまる方に向けて、DIPS2.0での更新申請の進め方を説明します。

更新申請は、DIPS2.0からオンラインで完結します。

更新申請の前に準備すること

申請を始める前に、次を準備・確認しておくとスムーズです。

  • ログイン情報の確認:DIPS2.0には、ドローンの登録時に作成したアカウントでログインします。IDは「英字3文字+数字6文字」(例:ABC123456)です。
  • 機体登録の確認:2022年6月20日以降、ドローンの機体登録が義務化されています。登録が有効な状態かを、更新申請の前に確認しておきましょう。
  • 前回の申請内容の把握:更新では前回の内容が引き継がれます。飛行する期間など、今回入力し直す箇所を事前に整理しておきます。

DIPS2.0での更新申請ステップ

おおまかな流れは次のとおりです。

  1. DIPS2.0にログインする
  2. 「申請書の作成(更新)」から、更新できる申請書を選ぶ
  3. 飛行する期間など、必要な項目を入力する
  4. 入力内容を確認し、申請する
  5. 許可が下りたら、DIPSから飛行許可書をダウンロードする(電子許可書の場合)

許可書は飛行時に携帯することが義務づけられています。スマートフォンやタブレットにPDFを保存するなどして、すぐ提示できるようにしておきましょう。

なお、DIPS2.0の画面の名称や操作は、システムの改修で変わることがあります。実際の操作前に、最新の画面表示も確認してください。

更新申請の期間と期限|いつから・いつまでに申請する

更新申請には、申請できる期間が決まっています。許可期間の満了日の40開庁日前から、10開庁日前までです。

「許可等の期間の更新を受けようとする場合の申請は、…期間の満了の日の40開庁日前から10開庁日前までに行わせるものとする。」

出典:無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)https://www.mlit.go.jp/koku/content/001866503.pdf

ここで言う「開庁日」とは、役所が開いている日、つまり土日・祝日を除いた平日のことです。

実務的には、許可が切れる2か月前ごろから準備を始め、少なくとも2週間以上の余裕を持って申請するのがおすすめです。

注意したいのは、期限を過ぎた場合や、満了日まで10開庁日を切ってしまった場合は、更新ができない点です。この場合は新規申請で取り直すことになり、許可が下りるまでの間は飛ばせない期間が生じます。期限管理は早めに行いましょう。

更新と変更が両方必要なときの判断|新規申請1回にまとめる選択肢

「許可期限が近いから更新したいが、新しいドローンも増やしたい」――このように、更新と変更が同時に必要になるケースがあります。このときの進め方には、知っておくと得な判断ポイントがあります。

ドローン・操縦者の追加やマニュアル変更は「変更申請」

前回の申請内容から、ドローンや操縦者を追加したい、飛行マニュアルを変えたい、という場合は、更新だけでは対応できません。この場合は変更申請で許可内容を変えます。

ただし注意点があります。変更申請では、許可期間そのものは延長されません。つまり、期限が近い状態で機体追加などをしたい場合、「変更申請」と「更新申請」の両方が必要になります。

機体を追加する手続きの詳細は、ドローンの包括申請で機体を追加する手続きで解説しています。

期限が近く変更も必要なら、新規申請1回が早い

更新と変更を別々に行うと、手続きを2回踏むことになり、許可書もそのたびに変わって事務が煩雑になります。

そこで判断材料になるのが、最初から新規申請を1回行い、新しい機体や内容も含めて許可を取り直すという選択肢です。

たとえば「ドローン1台・操縦者1名で許可済み、更新期限が2か月後に迫っているが、新しいドローンを追加したい」というケースを考えます。

  • 変更申請 → 更新申請、と進める場合:手続きが2回。許可書も二重に変わり、管理が煩雑。
  • 新規申請を1回行う場合:手続きは1回で、新しい機体も最初から反映できる。

新規申請にまとめるデメリットも正直にお伝えすると、いま持っている許可と期間が一部重なり、許可期間が少し無駄になる可能性があります。それでも「一度の手続きで済ませたい」という方には、新規申請1回のほうが楽なことが多いです。

どちらが得かは、残りの許可期間や追加内容によって変わります。迷う場合は、状況を整理したうえで相談すると判断しやすくなります。

包括申請の更新を行政書士に依頼すべきケース

ここまで読んで、「自分は新規申請になりそうだ」「期限が迫っていて不安」と感じた方もいると思います。次のような状況では、行政書士への相談・依頼を検討する価値があります。

  • 更新できず、新規申請で取り直すことになった
  • 申請したが、補正指示が出て対応に困っている
  • 許可期限が迫っていて、無許可の期間を作りたくない
  • 審査要領の改正で、何をどう直せばよいか判断がつかない
  • 更新と変更が両方必要で、新規にまとめるべきか迷っている

うえた行政書士事務所では、新規・更新・変更のいずれにも対応しています。許可が切れないよう、更新手続きが可能になる時期に合わせて更新案内を行っており、「気づかないうちに許可が切れていた」という事態を防ぐ支援を重視しています。航空局から補正指示が出た場合の対応も行います。

まずは状況をお聞きするだけでも問題ありません。公式LINEからの相談は無料で承っています。

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よくある質問|包括申請の更新

包括申請の更新費用はいくらですか?

国へ支払う申請手数料は、新規・更新・変更のいずれも0円です。行政書士に依頼する場合は、別途報酬がかかります。うえた行政書士事務所では、包括申請の更新は新規と同じく27,500円(税込)から、操縦者や機体を追加する場合は1件あたり3,300円(税込)で承っています。費用の詳細はドローンの包括申請の費用をご覧ください。

包括申請の更新はいつからできますか?

許可期間の満了日の40開庁日前(おおむね2か月前)から申請できます。期限は満了日の10開庁日前までです。開庁日は土日・祝日を除く平日を指します。

包括申請は毎年(複数回)更新できますか?

条件を満たしていれば、継続して更新することは可能です。ただし、審査要領の改正があった後は、改正前の内容のままでは更新できず、新規申請が必要になります。改正のタイミングは制度側の都合で変わるため、毎回更新できるとは限らない点に注意してください。

個人や趣味目的でも更新できますか?

更新の考え方は、個人・法人や、業務・趣味といった目的にかかわらず同じです。条件を満たせば更新でき、満たさなければ新規申請になります。
個人の方は、個人の包括申請でのドローン飛行許可に絞った記事がありますので、こちらもあわせてご確認ください。

機体登録の更新とは別の手続きですか?

はい、別の手続きです。「飛行許可(包括申請)の更新」と「機体登録の更新」は、それぞれ有効期間も手続きも異なります。包括申請を更新しても機体登録は更新されませんし、その逆もありません。どちらも期限管理が必要なので、混同しないようにしましょう。

まとめ|更新できるか早めに確認し、新規が必要なら準備を

最後に、この記事の要点を整理します。

  • いまは、そのまま更新できる人は限られている
  • 更新できない主な原因は、2025年の審査要領改正(3月・12月の年2回)
  • 更新できない場合は、新規申請で許可を取り直す
  • 更新できる人の申請期間は、満了日の40開庁日前から10開庁日前まで
  • 機体追加など変更も必要なら、新規申請1回にまとめると楽な場合がある

許可が切れると、その間はドローンを飛ばせません。「更新できると思っていたらできなかった」という事態を避けるため、期限の2か月前を目安に、自分が更新できるか・新規が必要かを早めに確認しておきましょう。

判断に迷うときや期限が迫っているときは、無許可の期間を作らないためにも、早めの相談がおすすめです。

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